カテゴリー「DBAN」の6件の記事

2014年4月 6日 (日)

「DBAN が起動しない・・・ でも他のLiveCDは起動する」場合

・・・他のLiveCDは起動するけれども、DBANが起動しない、起動前に途中で止まってしまう・・・といったケースがあるようです。

原因はいくつか考えられますが、他のLiveCD系は起動するのに、DBANだけが起動しない場合は、起動順位等の設定には問題がありませんので、HDDの完全消去の実行については次のどれかで実行が可能です。

【1:DBANのバージョンを変えてみる】
古い機種のPCでは、新しいバージョンのDBANでは起動できないケースがあるようです。その場合、古いバージョンのDBAN(ver 1.0.7)で試してみると解決するかもしれません。

【2:wipe-out を使う】
別にDBANだけが自動で削除してくれるソフトではありません。
DBANにこだわらなくてもフリーなものはあります。
wipe-outというソフトで国産のものがありますので、そちらで試してみるというのも吉だと思います。

【3:起動するLiveCDで完全消去する】
LiveCD さえ起動すれば、そのLiveCDでも「HDDの完全消去」は大概が可能です。

た・だ・し、全自動ではありません。『コマンド打ち』をします。

コマンドを打つという時点で、 戦々恐々になってしまう方もいらっしゃいますが、逆にこれを覚えると、どのLiveCDでも大概通用するので、お得です。
それにコマンドを打つと言っても、実質数行程度のコマンドで削除可能、しかもやり方を理解できればパーティション単位での削除も可能です。
(PC環境の確認のために、何行かのコマンドを打ったりしますが。)

ということで、今回は「コマンド打ちでHDDの完全消去」のお話です。
 

今回はGUIベースの「Slax」というLiveCDでHDDの完全消去をしてみます。
ちなみに他のLinux系のLiveCDでもやり方は基本的に変わりません。
 

〔Slax で HDDの完全消去〕

03_slax_r
上の図はSlaxが起動し終わった状態です。

さて、左下のほうに、まるで「テレビ画面」のようなアイコンがありますよね。
04_slax_m2r_2

これをクリックするとSlaxの場合「Konsole」というツールが起動した状態になります。

05_slax

ちなみに、「テレビ画面」のようなアイコンがデスクトップ上に置いていないケースもあります。
その場合、KDEメニュー等からたどっていきます。
41_deb_m
(上図の場合、『KDEメニュー > アプリケーション > システム > ターミナル(konsole) 』とたどることができる)

 
Windowsでは「コマンドプロンプト」と言われるものですね。
03_qemu_win_pronpt_03

 
このツール、一般的に「端末エミュレータ」や「ターミナル」と呼ばれるものです。

KDE系では「Konsole」、Gnome系では「GNOME 端末」と呼ばれる端末エミュレータが大概標準でついてきます。これを起動させてから「コマンド打ち作業」をしていくことになります。
 
(Windowsのプロンプトや、HDDにインストールされたLinux上からはHDDの完全消去はできませんのであしからず。あくまでLiveCD(またはUSBメモリなど)で起動したシステムで削除します。)

06_slax
基本的に「#」の横の赤丸のところにLinux専用のコマンドを打っていきます。

「#」 はターミナルがルート権限(システム管理者権限)でのコマンド実行が可能になっていることを示しています。
一般ユーザ権限の場合は「$」です。

LiveCDの場合、起動時は基本的にルート権限での作業になるので、HDDのデータ削除とかサクッとやってしまいます。

(HDDにインストールした通常のLinuxでは、起動時では一般ユーザ権限でのログオンなので、危険はありません。)


さて、ここからは危険な作業も含まれます。
もし、このページを見ながら試す場合は、何があっても自己責任の元で作業を行なってください。

ここからはあくまで処分予定のPCでのHDD完全消去を想定して話をしていきます。

間違っても、「使用しているPC」や「Windowsでの再活用を考えているPC」で、試さないようにしてください。(HDDリカバリタイプのWindowsPCの場合、リカバリができなくなります。)
あっさりデータが消えてしまうので。
あくまで、処分するPC、もしくはWindowsで再利用は全く考えていないPC、再活用するとしてもLinux系を考えているPCのみで、試してみてください。
よくわかっていない状況で作業を進めて、何かトラブルが起きても責任は持てません。あくまで自己責任の元で作業を行ってください。
不安な方は、破棄予定のPC、壊れても良いPCなどで試すと良いです。
(win98などのあまりにも古いPCだと動かない場合があります。メモリ256MB以上のPCなら、いける可能性は十分にあると思います。)




さて、では実際にコマンド打ちしてみます。

 

〔コマンドでHDD等のデバイス名を調べてみる〕

 まず、データ消去予定のPCのHDDの名前(デバイス名)を調べます。この「デバイス名」がわからないとデータ消去ができないので。
 ちなみに「このデバイス名」とは、メーカーのモデル名とか、型番のことではありません。
 システム自身がHDDに割り振った「デバイス名」のことです。

# parted -l

というコマンドを打つと、いろんな情報が表示されます。

11_slax_2

ちょっと情報量が多いので、補足説明します。

 
11_slax_mr

まず(1)のところから。
11_slax_m_01

結論から言うと「/dev/XXX」のところがデバイス名です。

Modelのところに「ST380011A」と載っていますが、これはHDDのモデル名です。

つまりこのPCでは、システム(今回の場合Slax)が「ST380011A」というHDDに対して「hda」というデバイス名を割り当てていることになります。

ちなみに、モデル名の後ろの(ide)というのは、IDEのHDDであることを示しています。

また、
  Partition Table: msdos
の「msdos」はMBR(msdos)パーティション形式であることを示しています。

gptパーティション形式の場合、ここが
  Partition Table: gpt
となります。

「Number ・・・」から下の部分はこのHDDのパーティション構成を示しています。
(パーティション構成の見方については『Parted でパーティションの作成(分割) その1』を参照のこと。)

 
 
では(2)はどうでしょうか。
11_slax_m_02

ここにも「/dev/sda」とデバイス名が割り当てられているものがあります。

実はこれ、「USBメモリ」です。
このPCには「USBメモリ」が刺されていたため、システムが自動で認識してデバイス名を割り当てたわけです。

ちなみに「外付けHDD」や自作PCなどで「複数のHDD」が接続されている場合もシステムが自動認識してデバイス名を割り当てます。

 
(3)も確認してみます。
11_slax_m_03

何か「読み込み専用ファイルシステムです〜」とWarningが出てますね。
これは記録デバイスではありません。
今回、このPCに外付け用の『光学ディスクドライブ』を接続していたため、自動認識したわけです。

さて、今回は(1)(2)(3)とデバイスが3つ分かれて表示されましたが、PCによっては表示される数が変わります。

で、表示されるデバイス名が多いと困るのが『どれがHDDのデバイス名か、見分けがつきにくい』という点です。

Linuxでのデバイス名は名称のつけ方にルールがあります。

〔/dev/hd★ 系〕
 /dev/hda
 /dev/hdb
 /dev/hdc
 など、hd★となっているのはIDEの「HDD」か「光学ディスクドライブ」です。

〔/dev/sd★ 系〕
 /dev/sda
 /dev/sdb
 /dev/sdc
 など、sd★となっているのはSATAの「HDD」やUSBで接続された「外付けHDD」や「USBメモリ」などです。

〔/dev/sr★ 系〕
 /dev/sr0
 /dev/sr1
 など、/dev/sr★となっているのは「光学ディスクドライブ」なんですが、たぶんUSB接続やSATA接続タイプのドライブがこの名前で割り当てられるような気がします。(経験上なので、ちょっと違うかも)

他にもあるのですが、もっと詳しく知りたい方は以下をどうぞ。

〔外部リンク:Debian GNU/Linux インストールガイド/Linux のデバイス

 

デバイス名からある程度はHDDがどれか予想はできるのですが、実はデバイス名から確実にわかるわけではありません。

特にSATAのHDDとUSBメモリが混在していた場合「/dev/sd★」とかぶるので、デバイス名だけでは判断できません。

なので、「80.0GB」などの容量や「ST380011A」などのモデル名から総合的に判断したりします。

また、誤解を招きそうなUSBメモリなど、接続している必要のないものは始めからPCから外しておくなど、表示されるデバイスの数を減らしておくと良いです。

(はじめから外してあったなら良いですが、PCが起動している状態で、いきなりUSBメモリ等を外してはダメです。Windows同様、PC起動中に「デバイスを安全に外す」作業を行わないとデバイスが壊れることがあります。この「デバイスを安全に外す」作業をLinuxでは「アンマウント」と言ったりしますが、LiveCD起動時のマウント状態がLiveCDによっていろいろなので、慣れていない方はどの状況から作業をするのか判断するのが大変です。なので、もしUSBメモリ等を抜くのなら、一度PCを終了させ、PCに電源が入っていない状態でUSBメモリなどを抜くのが一番簡単で確実です。)

 
さて、話が長くなりましたが、本題に戻ります。

今回消去したいHDDは(1)の「/dev/hda」だとします。
ということで、次のコマンドを打って、HDDを消去します。


〔ddコマンドでHDDのデータを消去する〕
以下のコマンドを打つと、いきなりデータ消去になるので気をつけてください。

LiveCDの場合、起動時は基本的にルート権限(システム管理者権限)での作業になるので、HDDのデータ削除とかサクッとやってしまいます。
(HDDにインストールした通常のLinuxでは、起動時では一般ユーザ権限でのログオンなので、危険はありません。)

Windowsのゴミ箱みたいにやり直しは効かないので気をつけてください。

15_slax_m_2

と打ちます。

これで、全削除です。
これを打ち込んで「Enter」キーを押したら最後、ひたすらHDDのデータを0で上書きしていきます。

さて、少し説明をします。

# dd if=[入力元] of=[出力先]

という書式になっています。

「/dev/zero」は特殊なファイルで、まさに「0」のファイルだと思ってください。
「/dev/zero」を入力元として読み込み、「/dev/hda」デバイスを出力先としてすべて「0(/dev/zero)で上書き」します。

ここで指定するデバイス名を間違えると、痛い目に合うことがあるので気をつけてください。

例えば今回のPCではUSBメモリが刺さったままなので「/dev/sda」とすると、USBメモリのデータがすべて「0で上書き」されるので気をつけてください。

ちなみに「0」では無く、ランダムな値で上書きしたい場合、「/dev/zero」ではなく、「/dev/urandom」または「/dev/random」とすると良いです。

# dd if=/dev/urandom of=/dev/XXX

「XXX」のところは該当するHDDのデバイス名です。

HDDのサイズが大きいと、それに比例して上書きに時間がかかります。
数時間とかはザラのようです。

上のコマンドを入力すると何も反応が無いように感じるので、止まってしまったかと思うかもしれませんが、ずっと動いています。

新しく「#」が表示されると終了です。
行が新しくなった場合、前のコマンドが実行し終わったことを意味しますので。
コマンド打ったら、放置して待ちましょう。

ちなみにshredコマンドでもHDD消去が可能です。

# shred -n 3 -z /dev/XXX

この場合、ランダムな値を3回繰り返して上書きし、最後に「0」で上書きします。

強力ですが、恐らく時間のムダです。
ここまでしなくても一般人にはddコマンドでの「/dev/zero」1回で十分だと思います。

ちなみに、HDDの全消去ではなく、パーティションテーブルだけをリセットしたいという場合があります。

その時は

# dd if=/dev/zero of=/dev/XXX bs=512 count=1

とすると、パーティションテーブルがサクッと削除(0で上書き)できます。

これは「/dev/XXX」に割り当てられたHDDの頭から「512バイト1個分を0で上書きする」という意味です。

データサイズが小さいので、一瞬で終わります。

ちなみにこれをちょいと変えると「MBRのバックアップ」もできたりします。

# dd if=/dev/XXX of=/home/MBR.image bs=446 count=1

これは「/dev/XXX」デバイスの頭から「446バイト1個分」を入力元として、homeディレクトリの「MBR.image」というファイル名で出力する、という意味です。

リストアは、ifとofの内容を入れ替えればokです。

 

「dd」コマンドは知っておくと結構便利なコマンドです。

光学ディスクのイメージ化もできたりするので、知りたい人はぜひ調べてみてください。

 
 

〔関連ページ〕
 ・HDD データ保存・消去の仕組み  / PC処分と情報漏えい 〜 ゴミ箱でデータが消えない理由
 ・ディスク・ホワイトニング / HDD データの完全消去 ( with DBAN )


 
〔サイト目次〕
 ●記事目次
 
 
 
 
〔外部サイト〕
Mediaweb:バックアップツールとコマンド: ddコマンドの使い方
JM Project:ddコマンド

 

 

2014年1月 1日 (水)

ディスク・ホワイトニング / HDD データの完全消去 ( with DBAN )

世の中、処分したPCからの情報漏えいが叫ばれてます。

データを消去せずにPCを処分してしまったというのは問題外ですが、「データをWindowsのゴミ箱に入れて消去したのに、漏れてしまった・・・」というケースがあります。

01_icon_dust

データの完全消去はゴミ箱で消すやり方では消せません。
完全に消去するためには、HDD全体を他のデータで上書きする必要があります。
(そこらへんの話は『HDD データ保存・消去の仕組み/ゴミ箱でデータが消えない理由』を参考に。)

わざわざ業者に頼んで消去する方もいますが、お金をかけるほどのものでも無いですし、その業者が本当に信頼できるのかという問題もあります。
(格安でやる裏で、実は隠れてデータを抜いていたりなどの可能性も否定はできないですからね。)
自分でやってしまえば、そこらへんの心配は一切ありません。


さて、完全消去ですが、Unux/Linux 系の LiveCD を扱える方は、簡単なコマンドを打てばHDD全体の完全消去ができるのですが、「コマンドってなんやねん。そんなもんするのは無理や〜」って方もいると思います。なので、CDをセットすれば、ほぼ自動で消去作業をやってくれる「DBAN」というフリーなLiveCDがありますので、今回はその起動の仕方と使い方のご紹介。

Darik's Boot and Nuke(DBAN) の CD を使って HDD のデータを完全消去します。

ちなみに DBAN の CD 自体を必要としている方は『DBAN CD の作成 〜 LiveCDの作り方 〜』を参考にしてみてください。

では、いきましょう。


DBAN の CD を準備したら、データを消去したい PC の CD/DVDドライブに突っ込んでPCを起動します。(ディスクを入れるより前にPCを起動していた場合はPCを再起動。)
すると以下のように DBAN のブート画面になると思います。
01_dban_start

もし上の画面のような形にならず、いつもと同じようにWindowsなどが起動してしまう場合であれば、CD/DVD-ROMから起動できないような設定になっている可能性があります。仕様的にはCD/DVD-ROMから起動できるPCで、設定上で起動できないだけなのであれば、これは設定変更が可能です。
PCはBIOSによって「起動ドライブの優先順位」が設定されています。CD/DVD-ROMよりHDDのほうが優先順位が高くなっている場合、CD/DVD-ROMから起動できません。HDDよりもCD/DVD-ROMのほうを優先させるよう、BIOSで設定を変更する必要があります。
(優先順位変更のやり方がわからなければ、ご自身のPCのマニュアルを参照するか、「起動ドライブ 優先順位(Bios)優先順位(UEFI)」「ドライブの起動順位について」「実践編:「Bios / UEFI」の設定 その1」で調べてみてください。Bios/UEFI ってなんやねんな方は「Linux のインストール(2018年度)その3 そもそも「Bios/UEFI」って何やねん? 」を参考にしてみてください。)

また、文字列がズラーっと出たあとになぜか止まってしまい、DBANがうまく起動しない場合について。古い機種のPCでは、新しいバージョンのDBANでは起動できないケースがあるようです。その場合、古いバージョンのDBAN(ver 1.0.7)で試してみるか、もしくは後述のwipe-outを利用してみてください。

他のLiveCDは起動するけれども
、どうしてもDBANだけがうまく起動しない場合は
「DBAN が起動しない・・・ でも他のLiveCDは起動する」場合
を参考に。

さて、上記の画面に行き着いたら、「Enter」キーを入力してください。


DBAN の読み込みが始まります。
02_dban_load
とりあえず読み込みが終わるまで放置です。

次の画面まで行き着くと DBAN が完全に起動した状態になり、HDDを消去できる段階になります。
03_dban_load_01

ちょっと説明します。
03_dban_load_01_r2
赤枠の「Method」の部分は現在選択されている消去方式で「DoD Short」になっています。米国国防総省方式の簡易版だそうです。企業や個人で消去する場合はこれで十分だと思いますが、違う方式を選びたい場合は、以下の方法で変更します。

ちなみにDBANの操作方法なんですが、画面の下の方にちょっと載ってます。
03_dban_load_01_r3
「M = Method」となっていますね。「m」キーを押すと、消去方式を変更する画面に移ります。


12_dban_r
赤枠のところに選択できる方式の一覧が載っています。

Quick Erase      ・・・「0x00」の1パス 
RCMP TSSIT OPS-II ・・・カナダ警察仕様
DoD Short      ・・・米国国防総省方式で3パス
DoD 5220.22-M     ・・・米国国防総省方式で7パス
Gutmann Wipe     ・・・Gutmann方式で35パス
PRNG Stream      ・・・乱数で1パス

利用したい方式を選び、決定すれば先ほどの画面に戻ります。

03_dban_load_01_r

さて、次は認識されているHDDについての説明です。
赤枠のところが2行になっています。
このPCの場合、HDDが2つ搭載されているため、このようになっています。
古いバージョンのDBANの場合は、パーティションごとに表示されるらしいです。
消したいHDD(またはパーティション)のところで「スペース」キーを押してください。

すると以下のように「wipe」と表示されます。
03_dban_load_02_r

2つとも消したければ、両方とも「wipe」と表示させてください。

その後に「F10」キーを押せば、データ消去が始まります。

05_dban_start_r

上の例は片方のHDDのみの消去のケースです。
右上の赤枠のところにHDDの消去状況が表示されます。

見ればわかりますが、上の例だと消去に4時間以上かかるようです。
基本的にHDDの消去には数時間かかるものだと思ってください。
PC環境によって時間は変わります。


06_dban_start_r
HDDデータの消去が終わると上の画面まで行き着きます。
これでデータ消去作業は完了です。
PCのシャットダウン作業は無いので、そのままPCの電源ボタンをおしてPCを終了させてください。

以上ですべてが終了となります。


ところで、上記の方法はPCの元々のOSが Windows であれ、Mac であれ、Linux であれ、OSに依存することなく、HDDの全消去を行うことができます。

業者の中にはWindowsPCのみしか消去できないとか、OS等の違いによって費用が変わるといったところがあるようですが、意味がわかりません。

これはですね。画用紙に描かれた絵を燃やして処分するのに、絵の内容によって処分費用を変えているのと同じことです。

技術力が無いんでしょうか。それとも無知な消費者からふんだくろうとしているのでしょうか。よくわかりません。

ソフトウェアによる消去においては、HDDの容量による費用の違いはまだわかります。これは容量に比例して作業時間も変わってくるので、それは仕方のない部分でしょう。(でも業者によっては250GB以上のHDDを2万円以上でやっているようですが、ちと高すぎじゃないですかね。自分でやれば、LiveCDのメディア代、100円もあれば済む話なんですが・・・。)

ちなみに消磁方式ではない物理的な破壊の場合は、容量とは関係ないので、容量によって費用に差を設けないところは良心的な業者だと思います。(というか、差を設ける業者っていったい・・・。)




ps.
ところで最近知ったのですが、同様のソフトで FreeBSD ベースの『wipe-out』というソフトがすでにあったようです。
こちらは国産ですので説明は日本語で表示されます。

ちなみに『wipe-out』はUSB接続されたデジカメやMO、MP3プレヤーまでも消去選択ができるようになっています。

詳細については wipe-out のホームページでマニュアルが公開されていますで、細かく知りたい方はそちらで参照してみてください。かなり詳しく書かれています。

ディスクの作り方自体は『DBAN CD の作成 〜 LiveCDの作り方 〜』と同様になります。参考にしてみてください。


〔関連記事〕
 ・PC処分をする前に、FLOSSなOSでPCリニューアルをしませんか?

Deb_07_desktop_03_00_2
『リスクセパレータ環境』構築のススメ (複数台のPCの利用)
 
 
 


〔外部リンク〕
 ・ハードディスクを完全消去する「DBAN」のインストールと使い方
 ・ハードディスク消去ツール「wipe-out」



 ● ブログ記事目次










2013年12月31日 (火)

DBAN CD の作成 〜 LiveCDの作り方 〜

DBAN ってご存知ですか?

Darik's Boot and Nuke (DBAN)は、安全にコンピュータのハードディスクの内容を完全に消去するフリーなツールの1つです。

このツールはWindowsのアプリケーションではありませんので、Windows上でインストールして使うという手法は取りません。

自分でCDを作って使います。

ということで、DBAN という LiveCD の作り方のご紹介です。
 
今回は DBAN の CD を作りますが、他の LiveCD の作り方と全く変わりません。また、LinuxのインストールCDの作り方も全く変わりません。LinuxのインストールCDを焼こうとしている方は「LiveCD」を「LinuxのインストールCD」に読み替えてお読みください。
 

ところで、LiveCD 自体よく知らないという方は、先に『ああ、素晴らしき"LiveCD"』を読んでおくことをお勧めします。

さて、以前はWindowsを使って「インストールCD」を作成したのですが、今回は『LiveCD作成版』です。中身はほとんど変わらないんですけでど、まぁリニューアル記念です。使用OSはWindowsでは7や8を所持していない都合上、XPで解説しています。   WindowsではXPと10での解説です。(Win10-2018追記)
Linuxではk3bを利用します。

ではいきましょう。

前回同様、基本的な知識はある程度あるものとします。例えば「ファイルの保存方法」や「フォルダ/ディレクトリの操作」、「ファイルの解凍」などなど。

さて、それでは必要なものを準備しましょう。

・PC

古すぎるパソコンは不可。話がめんどうなので。
2000年以降に購入したPCなら、大概問題ないと思います。XPや10がはじめから入っていて、なおかつ下記に記述してある光学ドライブが内臓されているものなら問題無し。
解説はWindowsXP・Windows10で行なっています。Linuxの場合は、k3bを利用した解説を別に載せてあります。

・書き込み可能な光学ドライブ

「CD-R/RWドライブ」や「DVDマルチドライブ」等のこと。
インストールCDの作成に利用。
光学ドライブは大概のPCにはじめから付いているが、書き込み可能なものでないとダメ。
「CD-ROMドライブ」や「DVD-ROMドライブ」といった「ROM」の名称しかついていないドライブは読み取り専用(の可能性が大)です。
そういったドライブはCDに書き込みできません。
別途書き込み可能なドライブを購入するか、そういったドライブのついたPCを利用してください。
また、一時期流行したネットブックにはドライブがほぼ付いて無いので、そういった人も外付けの光学ドライブ等を入手してください。
ドライブが無いと思って購入したら、実ははじめから付いていたとかは勘弁してね。

・CD-Rメディア

今までCDと言っていたが、正確にはCD-R。
ユーザーがデータを自由に書き込むことができるCDのこと。
DVD-Rメディアでも可能です。CD-Rのデータ容量は700MBを推奨。
ちなみにユーザーが自由に書き込みができないものはCD-ROMやDVD-ROMで、市販されている音楽CDや映画、ゲームのDVDが該当。

・「LiveCD」のデータ

LiveCDの中身の元。
LiveCDのデータは「****.iso」というファイル形式で配布されている。
Linuxの「インストールCD」も同様の形式で配布されています。
「.iso」の拡張子がついたものは、CDやDVDのisoイメージと呼ばれるもの。LinuxやLiveCD等に限定されるものではないことに注意。

・CD/DVDライティングソフト

「インストールCD」のデータを「CD-R」に書き込むために必要なソフトウェア。今回もフリーソフトの「CD Manipulator」を使わせてもらいましょう。(Windowsユーザ)
LinuxではKDE系ではほぼ標準のk3bを利用します。
 
(2014.8追記)
Windows7以降の場合、別途のライティングソフトは不要です。理由は後述します。

それでは
 「PC」
 「書き込み可能なドライブ
 「700MBの「CD-R」
がすでに手元に揃っているという前提で話を進めましょう。
  
 
 
 
「(1)LiveCD「DBAN」の作成 (1) isoファイルの入手」に続きます。
 

※ LinuxのインストールCDを焼く方で、isoファイルを入手済みの方は、
「(2)LiveCD「DBAN」の作成 (2) CD Manipulator の入手 & 下準備」へどうぞ。
 

〔目次〕
 (0)DBAN CD の作成  〜 LiveCDの作り方 〜
 (1)LiveCD「DBAN」の作成 (1) isoファイルの入手
 (2)LiveCD「DBAN」の作成 (2) CD Manipulator の入手 & 下準備
 (3)LiveCD「DBAN」の作成 (3) isoファイルの書き込み (終)






 


 

LiveCD「DBAN」の作成 (1) isoファイルの入手

DBAN の iso ファイルの入手

SourceForge.JP
 http://sourceforge.jp/projects/sfnet_dban/ にアクセスします。

01_down_home_01_2

ダウンロードのところを見ると、Linux,Windows,Macなどのマークの横にisoファイルがたくさん公開されていますが、どれも中身は同じです。どれを選んでも良いです。
どれか1つをクリックすると、isoファイルのダウンロードができます。

01_down_home_02_r

あとは自分のPCにそのisoファイルを保存すれば終わりです。




お疲れさまでした。

次は『LiveCD「DBAN」の作成 (2) CD Manipulator の入手 & 下準備』に入ります。
 
 

〔目次〕
 (0)DBAN CD の作成 〜 LiveCDの作り方 〜
 (1)LiveCD「DBAN」の作成 (1) isoファイルの入手
 (2)LiveCD「DBAN」の作成 (2) CD Manipulator の入手 & 下準備
 (3)LiveCD「DBAN」の作成 (3) isoファイルの書き込み (終)







 

LiveCD「DBAN」の作成 (2) CD Manipulator の入手 & 下準備

「CD Manipulator (ライティングソフト)」の入手

CD-R に iso データを書き込むためには「書き込み可能な光学ドライブ」があれば良いというわけではありません。ドライブはハードウェアに過ぎず、それとは別途にデータを書き込むためのソフトウェアが必要です。

ハードウェアとソフトウェアのそれぞれの役割をここで話すのは大変ですので、詳しく知りたい方はハードウェアとソフトウェアで調べて見てください。

目的のものが書き込めれば、どんなソフトウェアでも構いません。もしかしたら、そういったライティングソフトがみなさんのPCにデフォルトで入っているかもしれません。例えば「B's Recorder GOLD」や「Nero Express」、「WinCDR」などがそうです。

しかし、皆がみな、同じソフトを持っているわけではありませんので、今回はみんなで「CD Manipulator」というWindows系のフリーなライティングソフトを使いましょうって話です。ちなみにこのライティングソフトは名称からもわかる通り、DVD-Rには対応していません。CD-Rのライティングのみの対応となります。(ちなみに、Linuxのisoデータ自体はDVD-Rに書き込んでも使えます。)

※ (2014.8 / 2018追記)
Windows7 以降の方は、OSから直焼きができるため、ライティングソフトの入手は不要です。
Windows10でisoを焼いた例がありますので、参考にしてみてください。
 『インストールディスクの作成 その2(isoファイルの書き込み)
ページ先ではLinuxのインストールディスクを焼いていますが、同様にできます。
 
LinuxユーザでK3Bな方は、
 Linuxはそんなに難しいのか(4)K3b で LiveCD・LinuxのCDを焼く
を参照してください。

XP や Vista な方は以下続きをどうぞ。

 

ではCD Manipulator跡地にアクセスしましょう。

「Version 2.70 Final」がそうです。
ダウンロードしたら、「cdm270.zip」または「cdm270」ファイル名で保存されるはずです。
以上で「CD Manipulator」の入手は終了です。


「CD Manipulator 利用の下準備」

CD Manipulator は zip で固められているので解凍する必要があります。「zipって何?」って人はzipとはで調べましょう。

では解凍を始めましょう。
01_cdm_get_2

「cdm270.zip」がありますね。人によっては「cdm270」となっているかもしれません。こいつを右クリックして「すべて展開」を選択しましょう。

02_cdm_kai_2

解凍ソフトが動き出す・・・
03_cdm_kai

ファイル展開先(解凍先)は意味がよくわからなければ、変更しなくていいです。つまりそのまま「次へ」

04_cdm_kai

展開(解凍)終了。

「展開されたファイルを表示する」をチェックしておけば自動で展開先のフォルダが開きます。

05_cdm_kai


展開されてますね。
「CdManipulator.exe」というのがプログラム本体です。「CdManipulator.chm」はヘルプファイルです。
06_cdm_kai
人によっては「.exe」「.chm」が表示されていないかもしれません。
拡張子の表示をさせたい場合は拡張子の表示で調べて見てください。

以上で下準備は終了です。
CdManipulator.exeをクリックすれば CD Manipulator が起動します。



次は最終段階。LivdCD完成まであと少し。
LiveCD「DBAN」の作成 (3) isoファイルの書き込み (終)




途中のページから飛んで来た人は
DBAN CD の作成 〜 LiveCDの作り方 〜』 へどうぞ。



〔目次〕
 (0)DBAN CD の作成 〜 LiveCDの作り方 〜
 (1)LiveCD「DBAN」の作成 (1) isoファイルの入手
 (2)LiveCD「DBAN」の作成 (2) CD Manipulator の入手 & 下準備
 (3)LiveCD「DBAN」の作成 (3) isoファイルの書き込み (終)







 

LiveCD「DBAN」の作成 (3) isoファイルの書き込み

LiveCD「DBAN」の作成 (2) CD Manipulator の入手 & 下準備 』の続きです。


LiveCD「DBAN」の作成 (3)isoファイルの書き込み」

さて以下のものは揃いましたでしょうか?
・PC (WindowsXP)
書き込み可能な光学ドライブ
・空の700MBのCD-R
・LiveCDのisoデータ (今回はDBAN)
・CD Manipulator (ライティングソフト)

ここまで来たら、特に難しいことはありません。
ただの機械作業になります。
では行ってみましょう。


CD-R への iso ファイルの書き込み

まずドライブに空の700MBのCD-Rをドライブに突っ込みましょう。

次に「CD Manipulator」を起動させます。「CdManipulator.exe」をクリックして起動。
06_cdm_kai_2

何か日本語とかEnglishとかコピ厨とかいろいろありますね。
10_cdm_kido_01_2

ようは「ソフトの見た目はどうします?」って聞いているだけです。
別に英語表示にする必要は無いでしょう。「日本語」を選択します。


これがデフォルト画面です。再度 CD Manipulator を起動したときにはここからの状態になると思います。
10_cdm_kido_02

[ CD > マスタリング ]と進んでください
10_cdm_kido_03

「データトラックの構造」タブが選択されています。その左の「トラックリスト」を選択してください。
11_cdm_11_r

こんな感じになります。
11_cdm_12

次にメニューの[トラック > ISOファイルの挿入]を選択します。
11_cdm_13_r

CD-Rに焼き込むためのisoファイル選択画面になりますので、ダウンロードしたisoファイルを登録します。
11_cdm_15_r

isoファイルが登録され、書き込む準備が整いました。


「CDへ書き込み」ボタンをクリックすれば、ついに書き込み開始です。
11_cdm_16_r
では Let's Go !




あ、書き込みオプションの指定画面がまだありました。

11_cdm_17

う〜ん、前にも同じようなことがあったような・・・
まぁいいや。

ここではオプションを特に指定する必要はありません。デフォルトのままでいいです。OKをクリックすれば本当に書き込みが始まります。
それでは Let's Go !



書き込み中・・・
11_cdm_18



書き込み中・・・
11_cdm_19



ちーん。
11_cdm_20

「DBAN」の完成です。
書き込みが終わりましたので CD Manipulator は終了させて構いません。

お疲れさまでした。
あとは、これを使ってHDDをクリアにしてください。


途中のページから飛んで来た人は
DBAN CD の作成  〜 LiveCDの作り方 〜』 へどうぞ。

 
※ 費用をかけずにPC再活用・再利用を検討されている方はこちらを参考に。
 PC処分をする前に、FLOSSなOSでPCリニューアル・再活用をしませんか?
 

〔目次〕
 (0)DBAN CD の作成 〜 LiveCDの作り方 〜
 (1)LiveCD「DBAN」の作成 (1) isoファイルの入手
 (2)LiveCD「DBAN」の作成 (2) CD Manipulator の入手 & 下準備
 (3)LiveCD「DBAN」の作成 (3) isoファイルの書き込み(終)
 (補)ディスク・ホワイトニング / HDD データの完全消去 ( with DBAN )



※ CD Manipulator がうまく動かない人がいるかもしれません。
そのような方はCD Manipulator 動かないで調べてみてください。

※ DVDイメージを焼きたい場合はDVDイメージを焼けるライティングソフトが必要です。k3b は対応していますが、CD Manipulator は対応していません。
CD/DVDライティング他/FreeSoftNavi
などを参考にして探してみてください。

 

※ LinuxなどのOSのインストールCDの作り方もLiveCDの作り方と全く同様です。ただ、isoファイルの入手先が違うだけです。LinuxのインストールCDを作った時の記事が残っていますので、参考にしたい人はそちらを参照してください。中身はほとんど変わりませんが、isoファイルまでのたどり方の例や、md5についての説明が載せてあります。
(追記2014.7.28: MD5については「そのファイルは本物か?〔MD5 / SHA〕〜ごまかせないハッシュ値〜」の記事を追加しました。)

古い記事ですが、参考にしたい方はそちらで確認を。
Linuxの「インストールCD/LiveCD」の作成手順 WindowsXP編

※ Linux 系のOSのインストールをやってみたいという人は
Linux のインストール (2010年度)
Linux のインストール (2014年度)
 などを参考に。

Deb_07_desktop_00
(Debian wheezy KDE バージョン 2013.12)

※ 1つのPCに1つのOSを導入するのは大したことはありませんが、1つのPCに複数のOSを導入するためにはマルチブートに関する知識が必要です。Linuxを使う多くの方は大概「Linux」と「Windows」のマルチブート環境にしていることが多いと思います。(最近はLinuxだけ、という人も増えつつあるようですが。)
興味のある方は調べてみてください。



※ ちなみにOS上から他のOSを動かす手法もあります。
02_qemu_start_02

QEMU on Linux
なども参考に。





〔関連記事〕
 ・ああ、素晴らしき"LiveCD"
 ・PCの動作のしくみ(1) ~ハードウェアの役割とデータの流れ~
 ・PCの動作のしくみ(2) ~ハードウェアとシステム(OS)~
 ・PCの動作のしくみ(3) ~電源をいきなり切ってはいけない理由~
 ・LiveCDの動作のしくみ
 ・ドライブの起動順位について

 ・HDD データ保存・消去の仕組み  / PC処分と情報漏えい 〜 ゴミ箱でデータが消えない理由
 ・ディスク・ホワイトニング / HDD データの完全消去 ( with DBAN )



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