ティザリング実験室 〜 それってネットに繋がるの?
〔LinuxPC & Android端末でティザリング〕
・ティザリングのお話 in 2019
・LinuxPC & Android端末でティザリング(1)〜 USB接続編
・LinuxPC & Android端末でティザリング(2)〜 Wi-Fi接続編
・LinuxPC & Android端末でティザリング(3)〜 Bluetooth接続編
の兄弟記事です。
さて、以前に述べた通り、ティザリングの基本的な接続方法は以下の3つ。
(1)USB接続
(2)Wi-Fi接続
(3)Bluetooth接続
ネットで検索をかければだいたいこの3つが引っかかりますが、実際にはこれを複数組み合わせたり、モバイルデータ通信とは違う回線を利用したりできるなど、接続方法には他にもいろいろとあります。
ということで、今回はティザリングをいろいろな方法でやってみたよ、というお話です。
ちなみに作業環境は以下になります。
・Android端末・・・SH-M08:Android9
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もしかしたら、他の環境では多少の可否は変わるかもしれませんので、念の為。
【目次】
◎ ティザリングの基本の確認
①「データ通信回線」経路を「Wi-Fiの回線」に変更
② スマホ同士のティザリング その1
③ スマホ同士のティザリング その2
④ 番外編:無線LANネットワークの構築
【基本の確認】
まずは基本の確認です。先の3つの接続方法を図で表すと以下のようになります。
上図で見ればわかりますが、どれもデータ通信回線(3G/4G/LTE回線等)を利用しているので、スマホで通常のネット接続をしているのと同じように請求が来ます。そのため、繋げっぱなしにしてた場合、例えばWindows10の自動アップデートなどがかかっていたりすると、悲惨な目にあう場合があります。で、これを何とかできないか?
ということで、1つ目のネタは、
〔①「データ通信回線」経路を「Wi-Fiの回線」に変更〕
上図のような接続が可能なら、余計な通信料がかからない♪
で、結論から言うと一部の接続方法を除き可能です。
① Android側でモバイルデータ通信(モバイルデータ)をOFFにし、
② Android側のWi-FiをAPに接続し、(参考「Android の Wi-Fi接続設定」)
③ ティザリング設定を行う。(参考「USBティザリング」「Bluetoothティザリング」)
の手順で行います。
ただし、(2)Wi-Fiよるティザリング接続のみは不可です。少なくとも自分の環境では不可でした。
これはおそらくAndroid側のWi-FiデバイスがAPとの通信に専有されるのが原因なのかな、と推測されます。
さて、図のような接続にすれば一応ネットに繋げられると言えば繋げられるのですが、上図を見ればわかる通り「スマホ-AP間」がすべてWi-Fi接続なので、『PCを直接APにWi-Fi接続すればいいじゃん・・・』っていうオチがあったりします。
上図の通り、直に繋げればティザリングなどは必要が無いわけですが、じゃあ全く利用価値が無いかと言われるとそうでもないです。
例えば外出先でFree-WiFiなどを活用する場合、ティザリングに使用するAndroid端末で登録先の設定を済ませた場合は、Wi-Fiの接続設定を個々のPCでする必要が無いというのが利点です。
特に多くのFree-WiFiを利用する場合は有効かと。Wi-Fi接続設定の管理を1つの端末(スマホ)で管理すれば良いだけなので、使い方に慣れるとこちらの方が便利です。
ただし、先に述べたとおり、この場合はWi-Fiティザリングは不可です。
使うPCが1台だけ&スピードが必要ならUSBティザリング、複数のPCを同時接続&無線が良いならBluetoothティザリングがオススメ。
使いみちはそれくらいでしょうか。自宅で使うシーンはあまり無いかもしれません。
稀に特殊な事例で使えるくらいですかね。
※ スマホは優秀な「無線LAN子機(アダプタ)」の代用になりうる
ノートPCの中には有線LANのコネクタが無く、内蔵無線LANしか無いものが稀にあります。以前買ったPCにそんなものがあり、Linuxのインストールに困ったことがあります。
OSのインストール時、無線LANのドライバが標準でインストールできず、無線LANのドライバのダウンロードをするにしても有線LANアダプタが無いのでネットにアクセスできず、外付けのUSB無線LAN子機を利用しようにも、これまた外部からドライバを導入する必要があり、結局八方塞がりなことがありました。
この時に使えたのがスマホによる『USBティザリング』で、ネット環境なしの状態でOSを一度インストールし、PCとスマホをUSBティザリングで接続、スマホの先は自宅の光回線に繋がるAPにWi-Fiで接続。
APTを利用して無線LAN設定を行い、何とか無線LANを使えるようにしたことがあります。よくよく考えると、「USBティザリングの使えるスマホ」は、ある意味でっかい「無線LAN子機」と変わらないです。(しかもドライバーいらずで手軽に扱える。)
不使用・不要のスマホは、ちょっとした「無線LAN子機」としてのご利用いかがですか?(笑)
〔② スマホ同士のティザリング その1〕
こんな接続も可能です。
何に使うんだよコノヤローみたいな感じですが、結構利用している人もいるようで、
・回線の細い人が、回線の太い人から一時的に借りる
・2台持ちの人が片方の回線が速度制限かかったので、もう一台の方で回線を利用する
などが、あるようです。
手順は以下となります。
① 親機(㋐)の方でティザリングをONにする
② 子機(㋑)の方で親機(㋐)に接続 (終)
〔Wi-Fiティザリング(スマホ同士間)の設定の場合〕
〔Bluetoothティザリング(スマホ同士間)の設定の場合〕
上図のように、親機側でティザリングをONにした後、親機と子機でBluetoothペアリングを行えば終了。
場合によっては下図のように子機側でBluetoothの「インターネットアクセス」を明示的に有効にする必要があります。
以上のような感じで設定を行えばネットに接続できるかと思います。
ただし、使い方には注意が必要。複数台でアクセスするので、使い方によっては通信量がバカになりません。
ということで、またこれを何とかできなかということで・・・回線を『モバイルデータ通信』から『Wi-Fi』にできないか、となります。(ここから先のネタは自宅での需要は無いと想われるので、外出先での使用を想定して書きます。)
〔③ スマホ同士のティザリング その2〕
この接続であれば、「モバイルデータ通信」の回線を使わなくて済みます。
やり方としては、「② スマホ同士のティザリングの設定」+「(親機:モバイルデータ通信OFF)+(親機-AP間のWi-Fi設定)」を行えば良いです。
ただし、スマホ同士間のティザリング接続は「Wi-Fiティザリング」は不可です。「Bluetoothティザリング」の方は可となります。
ちなみに、直接APへWi-Fi接続すれば、この接続は「意味ねーなー」な話になります。
とりあえず、接続はできるよという話で、実用性は無いかと。
〔④ 無線LANネットワークの構築〕
スマホによるティザリングってのは結局スマホをアクセスポイント(AP)にしてインターネットに接続しているだけ。ということは、スマホをAPとして無線LANのネットワークを構築できないだろか・・・
結論として、可能です。
PC間をSSHによるアクセスで試みたらあっけなく接続できました。
ただ、この状態でインターネットにアクセスされると、通信量がキビシイものになるかと。
現実的な利用としては、モバイルデータ通信は停止して、あくまで無線LANのネットワーク構築のみで利用するのが良いかなーという感じ。
ちなみに、このモバイルデータ通信を停止した上図の場合はティザリング状態になっておりませんが、そこは番外編ということで。
屋外で、ちょっとしたネットワークを構築したいときに利用できるという感じですかね。
実用性の有無は別として、他にもいろいろと接続できます。
面白そうなネタが溜まったらまた続きを書ければいいなと思います。
以上、ティザリング実験室でした。
〔LinuxPC & Android端末でティザリング〕
・ティザリングのお話 in 2019
・LinuxPC & Android端末でティザリング(1)〜 USB接続編
・LinuxPC & Android端末でティザリング(2)〜 Wi-Fi接続編
・LinuxPC & Android端末でティザリング(3)〜 Bluetooth接続編
〔スマホの Wi-Fi接続設定〕
・Android の Wi-Fi接続設定
〔SSH関係〕
・SSH でリモートアクセス! in 2018(その1)【パスワード認証】
・SSH でリモートアクセス! in 2018(その2)【公開鍵認証】