カテゴリー「雑多なコラム」の5件の記事

2017年11月 3日 (金)

個人的健忘録の考える Linuxのメリット・デメリット

WindowsからLinuxへ移行してから約10年。
 
LinuxでのPC作業が当たり前となった反面、Windowsはいつの間にかバージョンがどんどん上がり、その扱いに困ることもしばしば。特にWindows8が出た当初は、あらゆる操作がわからず、Windowsユーザから質問されても全く答えられないこともありました。というかLinuxユーザにWindowsのことを聞かれても・・・
そんなWindowsユーザな方々も、今となっては「Win8に慣れた自分にはWin10は使いづらい」という人もいるわけで、結局のところ「使いやすい・使いにくい」というのは、慣れの問題なんでしょうかね。
 
え〜、話が少し逸れました。本題に入ります。
たま〜に、ネット等で

Linuxを使うメリットがよくわからない。何ではじめから入っているWindowsを使わないの?

といった話を見かけることがあります。

 

おっしゃることはよくわかりますが、Linuxを常用している者としては

Windowsはいろいろと制限があって、不便。
Linuxは融通がいろいろと利いて便利だし、何よりMSの都合に左右されない。

と感じております。
でもそれって、使用してなければよくわからないですよね。

 

ということで、自分が感じていることが具体的にどういうことなのか、話をしてみたいと思います。
 
とりあえず、大前提として、

『Linux は FLOSS な OS である』

ということを先に述べておきます。

 

 
【 FLOSS とは何か?】
 
「Free/Libre and Open Source Software」の頭字語で、大雑把に説明すれば「フリー及びオープンソース」という意味です。
 
ちなみに、Windowsの場合はその逆で、「プロプライエタリ」なソフトと言われることがあります。
 
Linux が FLOSS であるが故、以下のようなメリットが出てきます。
 
 
 
【メリット ①:長期間、安定的に使える】
 
PCを買ったばかりの頃はあまり関係が無い話ですが、PCを5年,10年と使っていくと、電源やバッテリー部分が劣化したり、HDDが不調になったり、液晶が暗くなったりと、ハード的にいろいろとヘタってきます。当然運が悪ければ、お亡くなりになります。

001

まぁ、不調になったり、壊れたりしたならば、新しいPCを新調すれば良いわけですが、問題は新PCを導入したときに、『移行がスムーズにできるか』です。
 
数年経てば、当然 Windows のバージョンも変わるわけで、それまで使用していたソフトウェアが使える保証はありません。
 
Windows のバージョンが変わったがために、使用ソフトウェアを新たに購入しなければならなかったり、いつの間にか新バージョンではファイルの規格が変わっていたり、はたまた、新バージョンの開発停止、もしくは開発元の倒産でソフトウェアが入手できなくなっている場合もありえます。
 
旧バージョンのWindowsのPCを入手するというのも1つの手ですが、『これから何年先も必ず入手できる』という保証はありません。
 
もちろん、代替ソフトウェアがあればそれを導入するのも一つの手だと思いますが、『それまでに作成したファイル等の遺産が莫大にあり、かつ、そのソフトウェアでしか利用できないようなファイルである場合』は、かなり困ったことになります。  003__

Windowsには一応「互換モード」という、旧Windows用のソフトのインストールを行えるモードが存在しますが、設定が面倒だったり、ものによっては動作しなかったりと、使えない可能性もあります。
 
最悪、旧バージョンのWindowsPCを入手せざるを得ず、旧Windows入りの中古PCを探さねばならない状況に陥ることも考えられます。
 
ところが、Linux ではその心配が一切ありません。
 
Linux は FLOSS であるが故、いつでも、いくつでも、古いバージョンを自由にダウンロードが可能です。(ものによっては公開サーバから除外されたり、公開サーバ自体がなくなる場合もありますが。)
031_r_2

 
Windowsとは違い、PC本体とOSはセットでは無いため、新PC、中古PC問わず、インストールが気軽に、自由に行えます。(Windowsの場合、旧バージョンを購入できる保証は無いし、失敗したら、無駄金を費やすことにもなる。)
 
006_r2_2

 

もちろん、新しいハードウェアに対しては旧バージョンのLinuxをインストールできない場合もありますが、その場合は仮想化もまた選択肢の一つとしてあります。特に現在は仮想化技術がかなり進んでおり、QEMU/KVM等を利用すれば、新Linux上で旧Linuxを動かして利用するなんてことも結構気軽にできたりします。今後ハードウェアを新しく更新する上でも、同環境の構築、つまりクローン環境(クローン機/バックアップ機)を用意しやすい状況になってきたように思います。(おかげさまで、新環境と並行して、旧環境も新ハードウェア上で稼働しとります。) 
 
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Debian9 上にて、Debian5 , Debian7 , WinXP を起動         洞窟物語 (2004)
 
まぁ、基本的には新バージョンの Linux に移行しても大概問題が無いんですけどね。ただ、あるソフトが開発停止になっていたということはどうしてもあります。しかし、FLOSSであるが故に後継プロジェクトが発足されることも多々あり、新バージョンに移行しても問題が無い場合が多いです。
(OpenOffice.org などは好例ですね。プロジェクト終了後、LibreOffice や Apache OpenOffice などが後継で続きました。)
 
001_2

 (出典:LibreOffice・歴史
 
そんなこんなで、新OS、旧OS問わず、好きな環境を自由に選択できる幅がWindowsよりもかなり広いわけです。
まさに「Linuxは融通がいろいろと利いて便利」な点では無いでしょうか。
 
  
 
 
【メリット ②:ベンダーの販売戦略の都合に左右されるということがない】
 
近年、話題に上がったのは『Windows10へ強制アップグレード』ですかね。
ネット上ではかなり話題になっていましたが、ソフトが動かなくなってしまい、仕事が滞って叫んでいた人をリアルで見かけることもありました。
Pc_error_2


もし、自分がこんなことを突然されたら、かなりの死活問題になります。過去においては「XP → Vista」や「win7 → win8」の時期もまた、叫んでいた人をよく見かけましたが、周囲がてんやわんやの中、自分のPC環境においてはその被害は全くなく、業務に支障は発生しませんでした。
 
ちなみに、MSはWindows10を「Windowsの最後のバージョン」と言っておりますが、『現在のWindows10』と『10年,20年先のWindows10』が内部的に同じであるハズが無く、トラブルは今後も続く可能性があるのではないかと。
同様の理由で、今使えているソフトも、この先ずっと使える保証は無いと思っています。
 
 
 
 
【メリット③:非常に多くのFlossなソフトを利用することができる】
 
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Debianの場合、5万を超えるパッケージを利用することができます。( 2017年現在:Debian 9 の最新情報

 

 
 
 
もちろんソフトによっては玉石混交ですが、市販ソフトを超えるソフトも多くあります。
 
101 501

 
506 505_

 
701_2 611_3

 
601_ 033

 
112 111

 
503_ 204__2

 
ネットから、オフィス、プログラミング、ゲーム等、非常に多岐にわたるソフトを利用することができます。
 
ちなみに、Debianで利用できるソフトについては、
 https://packages.debian.org/stable/ 
から調べることができます。
 
805

 

 


 
興味がある方はどうぞ。
 
ブラウザの設定によっては上記のサイトが英語表記になることがあるので、その場合は、
 間違った言語の Debian ウェブページになったら
をのぞくと良いでしょう。
 
 
 
  
  
【メリット④:何台のPCにも、無制限に、気軽にインストールできる】
 
仕事用のクローン機を準備するにしても、遊びや勉強用のPCを用意するにしても、気軽にインストールをバカスカできます。
 
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(図:「『リスクセパレータ環境』構築のススメ 〜情報漏えいから身を守るために〜」より)
 
Windowsの場合は、PCごとにライセンスキーを購入する必要があったり、機能制限があったりと、いろいろと不自由で面倒なわけです。Linuxではそのような心配をする必要が無いのが気楽でいいですね。
 
 
 
 
 

【メリット⑤:Windows系のセキュリティトラブルとは無縁】
 
近年話題に上がっている凶悪な「PowerShell攻撃」や、「ActiveXリスク」などのセキュリティリスクとは無縁です。
 
001_


これらはWindowsの仕様を利用したものなので、Linuxなどは影響を全く受けません。
 
もちろんLinuxにおいてもセキュリティに対する配慮(常日頃のアップデートへの注意)は必要ですが、Windowsほどの心配は不要です。(参考『Linux にアンチウイルスソフトは不要』)
 
しばしセキュリティ関連で、Windowsトラブルが大流行して各方面で仕事にならんといったことがおきたりしていますが、Linuxにおいてはそれに巻き込まれることはありません。
 
(※ MSがLinux向けに開発したPowerShellを、わざわざ自分でインストールした場合はこの限りではありません。)
 
 


 

(2020追) 
【メリット⑥:ネットワーク技術・環境構築/最先端技術研究と相性がいい】  

インフラエンジニアにとって、Linuxに関する知識や操作能力はほぼ必須。業種としてそちらの道を歩むのであれば、学んでおいた方が良いかと思います。

また、現在のスーパーコンピュータのOSはほぼLinuxです。

スパコン「TOP500」は依然Linuxが独占--新たなトレンドも

Sp_top500

(出典:Wikipedia:スーパーコンピュータ

Linuxを使える研究者は、こういったものも利用しやすくなるかと思います。

 

 


 

 
 
さて、メリットをいろいろと述べてきましたが、次はデメリットをば。
 
 
 
 
 
【デメリット①:売ってません】
基本売ってません。
家電量販店でLinuxPCを買うことはできないと思った方が良いでしょう。
 
Linuxを利用する場合は、ネットからLinux(OS)をダウンロードして、自分でPCにインストールする必要があります。PCは何でもいいです。自作PCでもいいし、そこらのノートPCでもいいです。
ノートPCならば、大概Windowsが入っているので、そのWindowsを消してLinuxを入れるって感じですかね。それが一番シンプルで楽だと思います。

 


 
 
 
 
【デメリット②:すべては Do it your self の世界】
 
Linuxは世界中のプログラマの協力により開発されています。対価を求められることなく、GPLライセンス(フリーソフトウェアライセンスの1つ)で利用できる反面、すべては自己責任の元で利用する形になります。つまり企業サポートのようなものは基本ありません。(レッドハット社やカノニカル社などの例外もありますが。)
わからないことは基本ネットで調べたり、雑誌等の書籍で学ぶことになります。
身近にLinuxユーザに出会えれば教えてもらえる可能性もありますが、現状、身近でLinuxユーザに出会えることは稀なので、直接人から教えてもらうことはあまり期待しない方が良いでしょう。
 
ちなみに、このデメリットは逆にメリットにもなりえます。
 
基本的に自分で解決していくことになるので、いつの間にかPCに詳しくなっていることもしばしば。
 
自分でLinuxのインストールができるようになれば、Windows の再インストールでもその知識を活用できますしね。LinuxCDを起動させることができるようになれば、不調のWindowsPCから、LiveCD等を利用してファイルを救出するなんてことも不可能では無いでしょう。何より仕組みがわかると楽しいというのもあります。
 
 
 
【デメリット③:Windows を前提としたものは使えない】
 
Windows専用のソフトやハードは当然使用できません。
そういったものを利用する場合は、Windows機を仕方なく使うか、もしくは逆にLinuxで利用できる代替ソフトやハードウェアを選択するかになります。
例えばプリンターなどは、Linux用のドライバーを用意しているメーカーと、用意していないメーカーやモデルがあるので、Linux用ドライバーを用意しているメーカー・モデルを選択的に選ぶのも1つの手です。
 
 
 
 
 
以上、メリット、デメリットを挙げてきましたが、どうでしょうか。
 
ちなみに、OSを排他的に利用しなければいけない理由は1つもありません。
WindowsとLinuxを併用しても良いわけです。
 
むしろLinuxを併用することによって、Windowsを再理解することにもなるでしょうし、Windowsへの依存を減らすことによって、セキュリティや運用上のリスクを減らすことになるでしょう。
  
学べば学ぶほど面白い世界です。
興味をお持ちの方はぜひ触れてみてほしいと思います。 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
<関連ページ>
 ・Linuxはそんなに難しいのか(1)ネット閲覧/文書作成/表計算/PCの終了
 ・WindowsユーザのためのLinuxナビ(1)〜パッケージ管理編〜 
 ・WindowsとLinux:ソフトウェア・インストールの違い  
 ・Linux のインストール 基礎知識と実践 (2018年度)  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2014年10月20日 (月)

Debianの魅力って・・・

Deb_7_r2 やはり「安定性」と「DFSG」に頑固なところでしょうか。まぁ「DFSG」については本家ですしね。 

プロプライエタリ」なコードに頼らず、「DFSG」なコードのみでOSを構築していこうとする姿勢は、他のデストリとは唯一、一線を画しているデストリで、そこが逆に魅力なんだと思います。
 
安易に「プロプライエタリ」なコードに頼ろうとしないがために、Ubuntu等のデストリに比べればパッケージの選択の幅は狭くなりがちですが、長期的な視点で見れば「プロプライエタリ」なものはセキュリティ上のリスクや、開発する上でのボトルネックになると考えていて、長期的な安定性、発展性を求めるのであれば、やはり「DFSG」という要素はでかいんじゃないかと思っとります。
 
まぁ、我が家の一部のPCではnon-freeリポジトリを使うこともありますけどね。
 
自分の場合は、安定重視のPCにはDebian安定版、最新パッケージを楽しみたいPCなら、Debianのテスト版やUbuntu系を選ぶといったスタイルでやっております。
 
 


 
 

2014年9月15日 (月)

Linux入門デストリ再考 〜2014〜

Linuxを触れたことが全く無く、かつ、選ぶデストリに悩んだ人に対しては、これまでに「Ubuntu」を薦めてきた。

理由は以下の優位点があったからだ。

①ハードウェア認識率が良い
②日本語環境で余計な設定が必要ない(デフォルトで問題無し)
③オフィスソフト、Webブラウザなど、よく使用されるソフトが標準でインストールされている
④ユーザ数が多く、情報が入手しやすい
⑤インストールメディアがLiveCDでもある

特に①と⑤については他のデストリビューションよりも一歩抜きんでいたこともあり、勧める方としても勧めやすかった。だからこそ、非常に多くのサイトや雑誌等で扱われたのだと思う。

しかし、Ubuntuブームをきっかけに、Linuxの裾野が広がった現在において、状況は少し変わってきたのでは無いか、と思うようになった。

①⑤の条件を満たすデストリが増えたという点で、Ubuntuにこだわる必要が全く無くなった、Ubuntuのハードウェア制約が厳しくなって、①の優位点が失われつつある、といったこともあるが、それとは全く別の問題が生まれつつあるのかもしれないと思ったからだ。そう考えるに至った理由は、以下のコマンド打ちに集約される。
 
 
001_r2_2

# sudo fdisk

「#」は実際には打たない。ユーザが打つのはそれ以降の「sudo fdisk」になる。
このコマンド打ち、通常はありえない。

ところが、このコマンドのどこがダメなのかわからない人が出現しはじめているようなのだ。

ちなみに、

$ sudo fdisk

は正しい。
当然のことながら、「$」も打たない。

わかる人には、当たり前すぎることなので「何、バカなことを言っているの?」と言われそうな話なのだが、実際このような例が出てきている話なので、現実には笑えない。

そもそもこんな話は昔は出てこなかったものだ。
 
何でだろうと、ずっと考えていたのだが、ある記事をきっかけにして、Ubuntu系統の普及が原因では無いかと考えるようになった。

Ubuntu日本語フォーラム su - が失敗する理由
 https://forums.ubuntulinux.jp/viewtopic.php?pid=2062
投稿質問者には申し訳ないのですが、重要な話なのでポイントとなる部分を抜粋します。

・・・
 
しかし、su コマンドもよく理解していないので、 sudo もよくわかっていないのが現状です。

・・・

Ubuntuは基本的にsuを使わないディストリビューションです。細かな違いやどっちがどの場面でよりよいかなど議論はありますが、とりあえず管理者権限が必要な場面ではsudoをつけてコマンドを実行すると考えてもらえればいいと思います。ソフトウェアのインストールや全てのユーザーに影響するような設定がこれにあたります。何かの本でsuをしてから実行するという指示があれば各コマンドにsudoを付ければいいことになります。一度パスワードをいれてからはしばらく要求されないのでそれほど面倒なことはありません。

・・・

コマンドの説明を読めば読む程、わからなくなるので なれるまでは深く考えずに sudo をつけるものだと思うことにします

 

この問題は、『「ルート権限」と「一般ユーザ権限」』の違いの理解と使い分けがしっかりできていれば、別段難しい話ではないのだが、そもそもUbuntuには『ルート権限アカウント』が存在しないのだ。「su」コマンドを理解できないのもうなずける。「ルート権限」へスイッチする経験も無いので、そういった感覚も学ぶこともできない。上記の質問者の場合、『「sudo」コマンド使用時にはパスワードが必要』程度の認識で止まっている可能性がある。
 
Ubuntuがなぜそういったスタイルを取ったのかは、以下のサイトからその理由を多少なりとも読み取ることが出来る。

RootSudo - Community Help Wiki
 https://wiki.ubuntulinux.jp/UbuntuTips/Others/RootSudo
 
主な理由は、
 ・利便性
 ・ヒューマンエラーからくるリスク回避
に集約されるようである。

Ubuntuは使いやすさを重視していると良く言われるが、こういった面でもそれが出ているわけだ。
 
確かに「PCに詳しくない人間」にとっては、「ルートアカウント」や「一般ユーザアカウント」といった細かな話を聞くのは苦痛でしか無いかもしれない。
そういった意味では、そのスタイルは正しいように思われる。
 
しかし、「PCや機械もの」に強い人間にとっては、逆に混乱の元になる可能性がある。
 
そもそもほとんどのLinuxやUnix系のデストリでは「su」コマンドの使用は当たり前の話で、システムを深くまでいじる人、開発等まで手がける人にとっては、「ルート権限」に関する知識や感覚、「su」コマンドの利用は必須だ。
Ubuntuも内部的にはルートプロセスが動いているので、根底は変わらない。そういった意味ではココらへんの理解は非常に重要だと思うのだが・・・。
 
 
「三つ子の魂百まで」というが、始めに得た感覚というのは後まで残る。
 
私は非Ubuntu系(Vine や Debian)から入ったので、suコマンドの使用には抵抗はあまり無いのだが、Ubuntu系でシステムをいじる際、sudoスタイルでの操作に未だに違和感を感じる。 
ただ「ルート権限」まわりの知識や感覚は多少なりとも身に付いているので「sudo」は使えるし、「sudo su -」が何を意味しているかもわかる。
 
しかし、Ubuntuから入っていたらフォーラムの質問者のように、ここらへんの話の理解に苦しんでいたかもしれない。Ubuntu依存が進んでそのスタイルに完全に慣れてしまっていたらなおさらだ。
 
そういった意味で、「なれるまでは深く考えずに sudo をつけるものだと思うことにします・・・」といったような話を聞くと、「慣れてからだと、それはそれで問題じゃないの?」と思ったりするわけだ。コマンドの打ち方や、感覚の修正に苦労しそうで、ある意味不幸かもしれない。
 
まぁ、コマンド打ちをしない人には全く関係の無い話。
 
「CUIは使わない」「他のデストリ・Unix系統は将来的に絶対に使わない」「システム内部を深くいじらない/開発者等を目指すわけでは無い」のであれば、どうでも良い話だろう。
 
私が思うにCUI系まで行けるレベルの人ならば、「CUI入門」の可能性も視野に入れるべきだろうと思う。
「CUI入門」としては「su」がデフォルトで使えるデストリが良い。
 
Ubuntu系も設定を変更すれば「su」使用が可能だが、その設定変更自体「CUI操作」が必要だし、そもそもシステム全体が「ルートアカウント」と「一般ユーザアカウント」の使い分けを想定した設計思想になっていない。他のデストリとはイレギュラーな部分があるので「CUI初学者」はsu周りがスタンダードな系統のデストリを選択した方が良いように思われる。
  
 
 

 Linux入門者向けデストリ再考(2)に続く予定・・・
 

ps.
端末上での「#」と「$」は重要な意味がある。
「#」はルート権限、「$」は一般ユーザ権限を意味している。
ところが、ネットの解説記事の中にはこれが省かれているものがある。
著者がわざと省いているのか、知らないのかよくわからないが、これが更に問題を複雑化させているようにも思う。
非常に大切な情報だと思うのだけれども。

ITpro:rootとは
 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20071130/288471/ 

 
 
 
 
 

2014年9月 5日 (金)

日付けの無いLinux入門者向け解説記事が増殖中・・・

近年、ネットでの初心者向けのLinux解説記事が非常に多くなって、世の中変わってきたなと思う今日このごろです。

さて、Linuxネタの記事が増えること自体は歓迎しているんですが、それに比例して、「日付けの無い記事」が増えたような感があります。

これって、困るんですよね。
日付けが無いので、情報の鮮度がわかりません。

新しい情報なのか、古い情報なのか、時期的に微妙な時の情報なのか、判断がつきません。

学術論文では日付けを入れることは必須ですが、学術論文でなくとも日付けの記入は重要です。日付けを入れる意識の無い方は多分そういったトレーニングを受けておらず、日付けの重要性を理解していないのでは無いかと思います。
 
情報というものは劣化の可能性があるものです。
今現在は有用であっても、(仕様等が変わるなど)状況が変われば、有害な情報になりうる場合もあります。
 
最近見かけたシンプルな例としては「○○というデストリが512MBで快適に動く」といった内容の記事がありました。この情報、数年前は事実だったんですが、今となっては誤りなものでした。

しかし、Linux初心者にとってはそれが誤りかどうか判断ができません。
最悪な場合、以下の流れになります。

○○というデストリが512MBで快適に動くんなら、自分のPCで試そう
 ↓
やってみたが、かなりモッサリで期待はずれ
 ↓
結局「使えんOS」というイメージが植え付けられ、Linuxユーザになる可能性有る者が去っていく 

 

こんなんで、未来のLinuxユーザを失ったら、明らかに著者の責任です。

情報の有用性を判断するのに重要な情報の1つとして、日付けの情報は大切なわけです。

そのため、私はそういった日付けの無い記事に出くわした場合、話半分程度で読むようにしています。

まぁ、単純に日付けを入れ忘れた、というケースもあるかもしれませんけどね。

ブログ系なら日付けが自動で入るので、入れ忘れはあまり無いでしょうが、wiki系の場合は、意識的に設定しないと入らないものがあります。
気をつけたほうが良いかと思います。

ちなみに、「初出の日付け」と、「最終修正(更新)日」を意識的に書く方もいます。
これは読者にとって、非常に助かります。

「初出の日付け」から「最終修正(更新)日」までの期間は、最低でもその記事内容が著者によって保証されるわけですから。
 

ウチの場合は修正日までは細かくはやっていません。
やれればいいんですが、現況を考えると多分カオスなことになると思うので。
 
少なくとも「初出の日付け」だけは、はっきりさせるようにしています。
 
 

ちなみにLinuxに触れた時の「はじめのインパクト」というのは非常に大切だと思っています。
 
感動こそが人を動かす。
 
それだけで、どっぷりとLinuxの世界に入っていくか、失望の上去っていくか、道が大きく分かれます。
 
入門者向けに解説記事を書かれている方は責任重大だと思っています。
 
読んでいると、情報の精度が怪しかったり、その情報は入門者にとって本当にプラスなことなのかな、と疑問に思うページに出会うことがあります。
 
大切なのは量より質だと思うのですが・・・。
 
そういった意味で、膨大な英語ドキュメントの翻訳や各種マニュアル等を整理されている方たちにはいつまで経っても頭が上がりません。
 
英語がダメダメな自分にとって、大変感謝しています。
 
 
話が逸れた部分もありますが、以上、個人的健忘録のグチでした。
 
 
 
  
〔マニュアル文書〕
 ・JM Project
   http://linuxjm.sourceforge.jp/
 
 ・Linux JF (Japanese FAQ) Project.
   http://linuxjf.sourceforge.jp/
 
 ・Debian ユーザ文書
   https://www.debian.org/doc/index.ja.html
 
 ・Gentoo JP
   http://www.gentoo.gr.jp/
 
 ・Arch Linux (日本語)
 
 
失念したものもあるので、思い出した時点で、追記していくつもりです。 
 
 

ps.
その他に、「リンクの張り方」が気になることがあります。

解説記事内において、個人サイトや公式マニュアル文書サイト等のリンクが貼られることがありますが、リンク先の「ページタイトル」や「サイト名」等を記述せず、いきなり「これを見てください」といった感じでリンクを飛ばすサイトがあります。たぶん、goo辞書やwikipedaなどの辞書的なものや、google検索等のリンクと同様な感覚でやっていると思うのですが、これはまずいのでは無いかと思います。

道義的なものもありますが、やられた方としては、「何だこのサイトは?」と思われるのがオチです。関係悪化の原因になることもあります。

厳格なサイトでは、辞書的なものも全て「ページタイトル」や「サイト名」を載せていたりします。
 
最低限、リンク先が「辞書的なサイト」か「個人サイト・マニュアル文書サイト」かで、リンクの張り方を変えるべきです。
 
私の場合は政治的なものが関わるものについては、ページ内でそれを伏せることはありますけれども、それ以外のサイトについては基本的に上記の点に注意しています。

 

 

  
 
 
 
 

2013年12月28日 (土)

Windowsに四苦八苦なご時世を見て思うこと

Windowsから離れてどれくらい経つだろうか。

自分がWindowsから離れようと思ったきっかけはこういう話を知ったのがはじまりだったように思う。

それからというもの、代替のOSを探しているうちに見つけたのがLinux。おそらく10年前くらいだろうか。
しかし、当時はすぐにWindowsから離れることはできなかった。というのも、当時のLinuxの導入は敷居がまだ高く、インストールはできたけど、その他のことが自由にできない・・・という状況。自分の技術力の無さもあり、ネットはできるが、オフィス等がまだ使えないといった状況で、使用できる範囲は限られていた。

それが一変したのは、Debian に出会ってから。
使い勝手はWindowsXPとあまり変わらず。ネットは Firefox系、オフィスはOpenOfficeがデフォルトでインストールされている。その他にはGimpInkscapeKolourPaintなどの画像処理ソフト、AmarokvlcなどのPlayer等、ディスク焼きこみはk3bなど、ソフトは充実。ソフトウェアのインストールはapt-getに慣れれば、何も問題はない。

はじめはおっかなびっくりな感じでWindowsと併用して使っていたが、いつの間にかWindowsが起動されることはほぼ皆無となった。

家族用にもLinux機を下ろした。トラブルは全くといっていいほどなく、家族はWindowsやLinuxの違いなど知らずにネットやメール、家計簿をつけたりと普通に使っている。

さて、Linuxに移行してからというもの、Windowsは新しいバージョンがめぐるましくリリースされてきた。下の表はXPからのものだが、私がWindowsから離れてから少なくと2世代のOSがリリースされている。

WindowsXP(2001〜) → Vista(2006〜) →Windows7(2009〜) → Windows8(2012〜)

この世代交代スピードが速いか遅いかについては何とも答え難い。ただ、WindowsがPCのシステムの根幹としてのOSであること、切り替えには費用がかかり、またその費用もそれなりの金額であることを考えれば、速い世代交代は歓迎されるべきではないだろう。

また、世代交代における使い勝手の変化もユーザーの大きな負担になる。

「Windows8」のPCを買ったはいいが、使い方がわからず、困っている人を職場で何度か見てきた。しかし、このような光景、今回だけの話ではない。約7年前の「Vista」登場時もユーザーは多大な迷惑を被った。このように過去を振り返って将来を考えてみるとWindowsを使っていく限り、同じようなことが繰り返される可能性は高い。マイクロソフトは3年前後を目安に新OSをリリースする方針なので、これから3年後の2015年あたりに、再び苦労する可能性が出てくる。しかもお金を支払って。

フリーソフトウェア運動」というものがある。自分とはどこか遠い世界の話のように感じていた。しかし、Windowsに依存しているがために、数年ごとにOSを乗り換えなければならなかったり、その都度お金を使わなければならなかったりと、Windowsが社会に与えてきた影響、これから与えるであろう影響を考えると、決して空想論的な話ではなく、現実的に実感できるようになってきた話だなと思う。

そう考えてみれば、Windowsからの脱却ができた自分は幸運だったのかもしれない。

来年にはついにWindowsXPの延長サポートが終了する。そのとき企業の対応はどうするのか。ある区役所では予算が確保できず、PC更新の具体的な計画が立てられないと聞く。Windowsという1つのシステムに依存する限り、数年ごとに同じことが繰り返される。今までこんなに問題にならなかったのは、WindowsXPのサポート期間がたまたま長かったためだ。私の職場ではそんな話は微塵も話題には登らないが・・・。



ところで、こんな話もある。
ちらほらではあるが、企業によってはXPサポート終了後、Linuxへの切り替えを検討しているという話だ。

Linux導入のタイミングとしては悪くない。むしろ良い時期かもしれない。というのも、
 ・かなり多くのLinuxデストリビューションが出揃った
 ・インストールは簡単になった (Windowsの再インストールとそう変わらない)
 ・ネット、オフィスソフトが問題なく使える
 ・フリーなソフトウェアが山ほどある
 ・ライブCDなどでPCにインストールせずに試し運用ができる
 ・Vista機など、更新時に破棄されそうなPCを再活用できる

また、スマホの Android のコアはLinuxなので、開発等をするのであれば連携も取りやすいだろう。

問題は移行におけるコストだ。
Windows依存の資産が多ければ多いほど、大変になるのは想像に難くない。

ただ、初期の移行に伴うコストを除けば、Linuxのライセンス料は無い(0円)ので将来的な維持費等を考えるとずっと割安になる可能性は十分にある。

あとは移行に伴う壁を乗り越えるだけの意思があるかどうかだろう。



ところで、Linuxに移行するまでに移行時の壁やコストを少しでも下げておく方法はある。

それは
 「OS非依存のクロスプラットフォーム対応なソフトウェアをできるだけ使用する」
ということ。

たとえば表計算ソフトの「エクセル」。
エクセルはWindows依存なため、他のOSでは使えない。ところが表計算ソフトにはWindowsに依存しないクロスプラットフォームな「Calc」というものがある。
これはWindowsでもLinuxでもMacでも動くのだが、Windows上で作ったファイルでも、Linux上で普通に使える。Windows上で作ったCalcのファイルはそのままLinuxでも使えるため、移行時はそのファイルのコピーだけで済む。つまり、Windowsで作成した資産をそのまま使えるということだ。そのため、もしこれから新たにファイルの作りはじめるといったことがあるのであれば、エクセルではなく、Calcで作っておけば、移行するときには非常に楽になる。

他の「ワード」や「パワーポイント」なども同様だ。

仮に今回のPC更新でLinuxへ移行しなくとも、新たに作るファイルだけでもクロスプラットフォームなソフトで作成すれば、後々Linuxへ移行するとなったときに非常に楽になる。また、旧来の古いファイルも必要な分だけ少しずつクロスプラットフォームなソフトで作り変えて行けばなおさら良い。

また、ユーザー自身にとってもメリットはある。
クロスプラットフォームなソフトは、OSが変わってもその使い方が変わるわけではない。つまり、他のOSでもWindowsで使っていた操作法と同様のやり方で扱えるわけだ。また、ファイルもそのまま流用できるため、もしOSの移行が行われたとしても、移行の障害が激的に低くなる。

代替できるソフトとできないソフトがあるだろうが、できないものについてはそのままで、それ以外のものについては、このPC更新時に、クロスプラットフォームなソフトウェアの導入も一考の余地があるように思う。



【クロスプラットフォームなソフトの一例】
〔オフィス系〕
 ・LibreOffice  (OpenOfficeの後継/Windowsでいう Microsoft Office に該当)
    Calc  (Windowsでいう エクセル に該当)
    Writer  (Windowsでいう ワード に該当)
    Impress  (Windowsでいう パワーポイント に該当)
    Draw    ドローソフト
    Base     データベース管理システム
    Math     数式エディタ

 ・Apache OpenOffice  (OpenOfficeの後継/Windowsでいう Microsoft Office に該当)

   LibreOffice と Apache Openoffice、どちらもOpenOffice後継ですが、Linuxディストリビューターの多くは LibreOffice を採用するようです。


〔インターネットブラウザ系〕
  ・Firefox   (Windowsでいう  Internet Explorer に該当)
  ・Opera

〔その他〕
  ・Thunderbird  (Windowsでいう  Outlook に該当)
  ・VLCメディアプレーヤー
  ・Gimp
  ・Inkscape
  ・Blender


ちなみにWindows専用のソフトを無理やりLinuxで動かすという裏ワザもあるのですが、それはまた別の機会で。


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