「ドライバのダウンロード編」からの続きです。
検索でいきなりこのページに飛んで来た方は話の流れがわからないと思いますので前ページから参照してください。
さて、ドライバーは入手したので、次はドライバのインストールになりますが、ここからが厄介です。
同じメーカーでも「プリンターのモデル」や「Linuxのデストリビューション」によっては、「可能なドライバインストール方法」が色々と変わってきます。なので、こうすれば確実にできるという方法はありません。
しかし、Linuxのドライバーを公開している場合は、メーカーが導入の手順をたいがい公開してますので、基本的にその通りにやれば良いです。
(メーカーの指示通りやっても、デストリビューションやバージョン違い、モデルによって相性問題が発生してしまい、インストールできないケースがどうしてもあります。どうやっても無理な場合はデストリビューションを変えてみるか、そのプリンタの導入は諦めましょう。Windows機が1台でもあれば、Win機併用の裏ワザを使用する方法もあります(プリンタサーバ構築タイプ)。その場合はWin機経由の間接印刷手法を取りましょう。)
今回のケースではダウンロード時に表示されるページにその手順が書かれていました。
ということで、これをじっくり読んで、順番通りにこなしていきます。
ちなみに、ここには書かれていなかったのですが、プリンタの電源は先につけておいてください。また、USBケーブル(またはLANケーブル)もPCに接続させておいてください。
(LAN接続が可能なプリンタの場合、USB接続とLAN接続、どちらの接続でも構いませんが、念のため排他的な接続(片方のみの接続)で行なってください。LAN接続の場合はプリンタ側でネットワーク設定が必要になるかもしれません。これはWindowsの場合もあまり変わりが無いと思います。)
では順に行きましょう。
1. LPD/LPRng 用ドライバーと CUPS 用ドライバーをダウンロードしてください。
※dpkgユーザー(例:Debian, Ubuntu)の方はDEBパッケージをダウンロードしてください。
の部分は終了しているので問題なし・・・(と思っていましたが、後で「LPD/LPRng 用ドライバー」のダウンロードがまだなことに気づきました。これについては後述します。)
2. root権限を取得してください。
(su コマンド、rootユーザーでのログイン、sudoコマンドなど)
さて、root権限というのはWindowsでいうadministrator(管理者権限)のことです。
ここで「root権限を取得してください」と言っておりますが、Linuxではこう言われたら、「ターミナル端末を起動させて、rootになれ。」と言っているようなものです。
ということで、やるしかないですね。
Let's コマンド打ち!
ターミナルを起動させましょう。
〔端末の起動〕
「アプリケーションタブ > システム > ターミナル(Konsole)」をクリックします。
するとターミナルが起動します。
〔suコマンドを使ってroot権限になる〕
suコマンドというのはユーザを切り替えるコマンドなのですが、管理者権限になるのにも使えます。
su -
と入力します。するとrootのパスワードを聞かれますので、パスワードを入力するとこのターミナル限定でroot権限になります。
ちなみにパスワードを入力する際「*****」のような表示は全くされません。まるで無反応のような感じですが、パスワードを打って、最後に「Enter」キーを押せばOKです。
「$」は一般ユーザ権限状態、「#」はルート権限状態になっていることを示します。
パスワード入力に成功すれば「#」が表示されます。
この状態でのターミナル内に打ったコマンドは全て「ルート権限」での実行ということになります。
(誤解を防ぐために繰り返しますが、ルート権限になったのはこのターミナルだけです。その他のアプリは一般ユーザ権限状態に変わりありません。)
ということで、やっとルート権限になれました。
次に行きましょう。
〔「/var/spool/lpd」ディレクトリの確認〕
3. インストール準備が整っていることを確認してください。
3-1.
"/var/spool/lpd" フォルダが存在することを確認してください。
存在しない場合はフォルダを作成してください。
ふむふむ。
「/var/spool/lpd」フォルダ(ディレクトリ)があるかどうかですか。
dolphinを起動させて確認してみましょう。
「ルート」をクリックして、「var」ディレクトリをたどっていきます。
う〜む。
どうやら無いみたいです。
ということで、さっきのターミナルを使って作成しましょう。
〔ディレクトリの作成〕
mkdirコマンドを使ってディレクトリを作成します。
mkdir /var/spool/lpd
と入力します。
以上で終了です。
次に行きましょう。
〔ライブラリの確認〕
3-2.
SuSE9.0~10.3を使用している場合、
lppasswdコマンドでCUPS用のパスワードを設定してください。
lppasswd -g sys -a root
3-3.
Apparmorが動作しているディストリビューション(例:Ubuntu)をご利用の場合は、セキュリティソフトの設定変更が必要です。
以下のコマンドを入力してください。
aa-complain cupsd
3-4.
SELinuxが動作しているディストリビューション(例:Fedora)では、セキュリティソフトの設定変更が必要です。設定方法はディストリビューションのマニュアルをご参照ください。以下のコマンドにより、一時的にSELinuxをDisableにすることができます。
setenforce 0
ここの部分は他のデストリビューションに関する説明です。
Debianは関係ありませんので飛ばします。
3-5.
64bit版ディストリビューションをご利用の場合は、以下2点を確認してください。
3-5-1.
32bit用ライブラリがインストールされていることをご確認ください。
例:glibc.i686(Fedora)、ia32-libs(Debian)、lib32stdc++(Ubuntu)
ふむふむ。「ia32-libs」というライブラリがあるかどうかの確認ですな。
Apperで確認してみましょう。
(Apperの基本的な使い方は「KDE パッケージ管理システム Apper」を参考のこと。)
Apperで「ia32-libs」と検索をかけると出てきました。
緑のチェックが付いていないので、インストールされていないようです。
なので、インストールします。
「インストール」をクリックした後、「適用」をクリックすれば、インストール作業に入ります。
追加パッケージが必要なようなので、導入します。
一度rootパスワードを聞かれますので、パスワードを入力すれば、「ia32-libs」のインストールに入ります。
最後まで行けば、「ia32-libs」の導入が完了です。
次に行きましょう。
〔ディレクトリの確認(2)〕
3-5-2.
"/usr/lib/cups/filter"フォルダがあることを確認し、存在しない場合は作成してください
うむ。こちらのディレクトリはあるようです。
作成する必要は無いですね。
〔追加のドライバをダウンロード〕
4. LPRドライバーをインストールします(インストールに数十秒かかることがあります)。
dpkg -i --force-all [LPRドライバー名]
ん? LPRドライバー?
そういえば、そんなんあったなぁ。
ということで、サイトに戻ってダウンロードします。
ファイルの保存先ディレクトリ(フォルダ)のパスはちゃんと覚えておいてください。
では、今回はhomeディレクトリに2つのドライバーをダウンロード済みとしましょう。(homeディレクトリについてですが、ユーザがファイルを保存するであろうhomeの正式なパスは「/home/ユーザ名」となっているのでご注意を。)
ちなみにDolphin上で「F6」キーを打つと、ファイル保存先のディレクトリのパスがわかります。
上の例だとファイルの保存先は「/home/gozilla2」ディレクトリですね。
では、dpkgコマンドを使って、LPRドライバーをインストールしましょう。
〔ドライバーのインストール〕
dpkg -i --force-all /home/gozilla2/dcpj952nlpr-3.0.0-1.i386.deb
と入力します。
「/home/gozilla2」は保存先のディレクトリなので、ここの部分は人によって変わると思います。
「dcpj952nlpr-3.0.0-1.i386.deb」はドライバ名です。
最後に「Enter」キーを打つと、ドライバのインストールがインストールされます。
これで、LPRドライバーがインストールされました。
次はCUPS用ドライバーです。
5. CUPS 用ドライバーをインストールします(インストールに数十秒かかることがあります)。
dpkg -i --force-all [CUPS 用ドライバー名]
やり方は先程と同じです。
引き続き、コマンドを打ちます。
dpkg -i --force-all /home/gozilla2/dcpj952ncupswrapper-3.0.0-1.i386.deb
を入力すれば終了です。
放置して、最後まで行けば、インストールが完全に完了になります。
お疲れ様でした。
これで問題が無ければ、これで印刷が可能になったはずです。
ちなみに「ドライバ導入の確認」については
『プリンタドライバの導入〔おまけ〕 〜ドライバの導入の確認編〜』
を参考にしてみてください。
〔関連ページ〕
・Linuxはそんなに難しいのか(7)プリンタの設定